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株式会社TBK

SUSTAINABILITY

サステナビリティ

TCFD提言への対応

TCFD提言に基づく情報開示について

当社グループでは、気候変動問題を最も重要な社会・ビジネスにおける課題と捉え、対策に取り組んでいます。
以下では、TCFD提言において開示が推奨されている「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの内容について情報を示すと共に、2021年度の温室効果ガス(以下、GHG)排出量データについてもお知らせいたします。

気候変動に対する基本姿勢とTCFD提言への対応

当社グループでは、「お客様に喜んで頂く商品をつくり、社会に貢献する。」という経営理念の元、企業活動を行っており、2050年のカーボンニュートラル実現に向けESGに関する取り組みを進めています。
TCFDは「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の略称であり、2015年に金融安定理事会(FSB)により、気候関連の情報開示及び気候変動への金融機関の対応を検討するために設立され、気候変動要因に関する適切な投資判断を促すための一貫性、比較可能性、信頼性、明確性をもつ、効率的な情報開示を促す提言を公表しました。
当社グループは、サステナビリティ経営に邁進するべく、TCFD提言で開示が推奨されている「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの区分に基づく情報開示を行います。なお、未充足の部分については、今後、開示内容を継続的に拡充して参ります。

1. ガバナンス

サステナビリティへの全社的な取り組みや推進戦略に関する⽴案及び推進体制を強化するため、サステナビリティ委員会を2022年7月1日付にて新設しています。
サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長とし、委員は経営層である地域統括、機能統括、子会社社長より構成されます。気候変動に関連する重要なリスクなどについては、全社リスク管理のプロセスと同様に、適宜取締役会への付議/報告を行って参ります。
気候変動に関する具体的な分析や施策については、サステナビリティ委員会の監督の元に実施します。
また、各拠点における環境委員会が当社グループ内の各社と連携し、気候変動関連課題への対応策の推進、目標管理を行い、サステナビリティ委員会へ上申、報告を実施していく予定です。

サステナビリティ推進体制図

2. 戦略

気候変動が事業・業績に与える影響について、定性的なシナリオ分析を行いました。シナリオ分析では様々な事態を想定し備えることが重要と考え、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC:International Panel on Climate Change)及び国際エネルギー機関(IEA: International Energy Agency)を参照し、「2℃未満」シナリオと「4℃」シナリオを用い分析を行いました。

2℃未満シナリオ
(低炭素経済へ移行するシナリオ)
政府目標が推進され、カーボンニュートラルな世界が実現されている社会となります。国際社会や日本政府により環境対応規制が強化され、新しい技術革新が進むことで、社会や産業の構造が大きく変化していることが想定されます。
4℃シナリオ
(物理的気候変動リスクが高まるシナリオ)
低炭素/脱炭素化の取り組みによる効果は限定的に留まり、気候変動の深刻化した物理的リスクが高い社会となります。自然災害が頻発することで、当社グループのサプライチェーンや生産現場に対する望ましくない影響が想定されます。

気候変動に関するリスクと機会は、政策や技術等による社会変化によって生じる「移行」側面と、自然災害や気温上昇などによって生じる「物理」側面を考慮しております。なお、分析の時間軸は、基本的に移行リスクは2030年、物理的リスクは2050年を基準としています。
特定した気候変動に関連するリスクと機会及び現在行っている対応策は下表のとおりです。なお、今後当社グループでは、今回特定した気候変動によるリスクと機会が事業に及ぼす財務影響度について分析を行い、その結果は適宜開示していく予定です。

特定した気候変動に関するリスクと機会

2℃未満シナリオ

世の中の変化 リスク 機会 対応策
政策・規制 炭素税・GHG排出量規制の導入
  • 炭素税などGHG排出量に比例するコスト増加
  • 規制に先行した排出量削減への取り組み
技術開発 内燃機関車の低燃費要請
  • 競合企業の先行した低燃費配慮製品開発による売上減少リスク
  • 顧客のニーズを充足した低燃費配慮型製品の売上拡大
  • 低燃費など、顧客ニーズに対応した製品の開発
商用車のEV化
  • EV化の進展による内燃機関関連商材の需要減少(ウォーター/オイルポンプなど)
  • EV対応型製品のラインナップ拡充による売上拡大
  • EV対応型製品の開発加速
市場動向 グリッドパリティ未到達
  • 再生可能エネルギー電力の導入(購入)による電力コストの増加
  • 工場への太陽光発電システムの導入
  • 省エネ設備導入による電力消費量削減
原材料価格の高騰
  • 金属、樹脂などの原材料単価の値上がり
  • 原材料コスト上昇分の販売価格への転嫁交渉
サプライチェーンにおけるCN※要請
  • 省エネ、再エネ設備に関する投資コストの増加
  • 顧客のScope3におけるCN※貢献による販売機会の拡大

※CN:カーボンニュートラル

4℃シナリオ

世の中の変化 リスク 機会 対応策
物理的
(慢性)
平均気温の上昇
  • 工場内の高温化に伴う労働生産性の低下(人件費の増加)
  • 工場における労働環境の整備(空調設備、休憩時間確保等)
物理的
(急性)
異常気象の激甚化
  • 風水害の頻発化による自社拠点への被害
  • 各拠点におけるBCPへの取り組み
  • 被災に対応した損害保険への加入
  • BCPリスクを考慮した複数購買の実施
  • サプライチェーン分断に伴う工場の操業停止

3. リスク管理

当社グループでは、リスク管理・コンプライアンス規則に基づき、代表取締役社長を委員長とするリスク・コンプライアンス委員会を設置し、当社グループ会社よりリスク・コンプライアンスに関わる事項の報告を受け審議すると共に、重要な事項については当社の取締役会に付議又は報告し、審議、決定する体制としております。
気候変動に関連する重要なリスクについては、全社リスクマネジメント管理のプロセスと同様に、リスク・コンプライアンス委員会がサステナビリティ委員会と連携し、その影響度や管理状況について適宜取締役会への報告を行って参ります。

気候変動リスク対応体制図

4. 指標と目標

TBK国内における、GHG排出量は以下のとおりです。ESG経営への取り組みを重点目標として定め、国内では2050年のカーボンニュートラル目標を設定いたしました。今後、カーボンニュートラルの実現に向けて、省エネ改善活動、再生可能エネルギー導入などの取り組みを加速させていきます。

TBK GHG排出量(国内)

※売上高を分母とする原単位を記載しています。

海外グループ各社についてはGHG排出量の捕捉を進め、各国の目標に鑑みながら、グループ全体でのScope1,2のGHG排出量削減目標を設定して参ります。
また、当社グループ全体における、Scope3のGHG排出量計測や、特定した事業機会に関する目標の設定なども、今後具体化に向け社内での検討を続けて参ります。