5月27日からパシフィコ横浜で開催される『人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA』。モビリティの未来を支える最新技術や製品が一堂に会するこの展示会に、TBKは今年も参加します。出展16回目となる今回のテーマは【Be Ready for Future】。部品メーカーという従来の枠組みを超えて、商用車の走行と安全を担うシステムサプライヤーへと変化する。本展示会では、TBKの未来に向けたストーリーを、各種製品とパネルの展示を通じてお伝えします。
今回の特別企画では、展示会の企画段階から携わってきた開発と営業のキーパーソン4人に、TBKの進化や未来への想いを語ってもらいました。
<対談者>
〇第1開発部/エンジン用ポンプの開発
中島 光雄ディレクター(以下、中島)

〇第2開発部/ブレーキや摩擦材の開発)
内匠(たくみ) 寿ディレクター(以下、内匠)

〇第3開発部/電動化商品・システム開発
三好 章洋ディレクター(以下、三好)

〇アカウントマネジメント部/自動車関連産業営業)
吉舗(よしき) 達広マネージャー(以下、吉舗)

世の中の課題と向き合い続ける企業として 商用車業界の激変期にTBKが選ぶ道
内匠:
商用車メーカーさんとの付き合い方が、ここ数年でガラッと変わったと感じています。これまでのやり方の延長線上で、同じように部品を作っていればいいという時代ではなくなってきている。だからこそ、これからは自動車だけでなく鉄道や搬送系といった新しい分野にも入っていかなければならない。実は過去にも同じような議論があったんですが、いろいろな背景があって、そちらには進めませんでした。そんなことも含めて、改めて見直す良い機会だと思っています。
あとはそうですね、世代がここ数年で大きく変わってきていると感じています。我々の世代で変化を起こし、それを次の世代につなげていくことが必要だと思っています。
三好:
自動車業界の変化は以前から言われていましたが、商用車の世界にも電動化や高度な安全制御という大きな波が、いよいよ本格的にやってきました。かつては、排ガス規制などの法規にどう対応するか、お客様の要望にどう対応するかを考えていればよかった。でも今は違います。自ら社会課題や業界の動きを読み解き、能動的に動かなければ、一気に取り残されてしまうという強い危機感があります。
カーボンニュートラルや水素プロジェクトといった国を挙げた動きや、ドライバー不足、悲惨な事故を防ぐための安全規制。そのような複雑な社会課題を解決するための中心地にTBKは居続けなければならない。そのためには、従来の部品メーカーという枠を飛び越える変化が必要なのだと思います。
中島:
TBKにとって「変化」は大事ですが、私はそれを「順応」と「適応」の違いで考えています。変化すること自体がゴールではなくて、変化はあくまで結果論だと思うんです。周りに合わせて形を変えるだけなら、それは単なる「順応」。でも、本当に生き残るために必要なのは、新しい環境の中で自分たちがどうあるべきかを自ら見出す「適応」なんです。
脱炭素やメーカー各社の統合など、業界が激変しています。この荒波にただ流されるのではなく、自らの意志で、自らの強みを活かしながら、新しい環境でなくてはならない存在へと自らを進化させる。こういった変化が、今のTBKに求められています。
お客様の目の前の困りごとを必死に解決した結果として、後から振り返った時に「あ、俺たち変わったな」と思える。それがTBKらしい変化の形なんだと思います。
吉舗:
ちょっと視点を変えて、業界の変化を考える時、キーワードになるのは「モビリティ」という言葉だと思うんです。単に車を売るだけじゃなく、人や物の移動全般を指す幅広い意味で捉えられていますよね。その大きな流れの中に、電動化や自動運転、さらには空飛ぶ車なんかも含まれている。
こうした背景がある中で、TBKは早い時期から電動化の開発に挑戦してきました。その地道な取り組みがいよいよ実を結んで、メーカーさんの車両に実際に搭載される段階にある。今の自分たちの立ち位置は、そこまで来ているんだなと改めて感じています。

「何としてでも動かす」、北海道・十勝で見せた現場の執念 次世代に伝えたい自分たちのDNA
吉舗:
TBKらしさでいえば、部品メーカーでテストコースを持って、自分たちで車を改造して走らせているところって他にないですよね。
三好:
テストコースで車走らせるの、楽しいよ。
吉舗:
だと思います。
三好:
そう、十勝試験場といえば、こんな話が。テストコースでe-AXLE(イーアクスル)を載せた車を走らせる実験をしていたとき、ある重要な部品が壊れてしまって。次の日にお客様が来るという日の夕方、「壊れました」。それが北海道では絶対に手に入らない部品で、でも本社には在庫がある。
中島:
ここから『プロジェクトX』のナレーションが流れてくる(笑)。
三好:
みんなで「もう、どうするんだ?」みたいな話になって。役員も一緒にみんなでボールペンを振りながら、最後は「ハンドキャリーしかない!」と。
東京の本社にある部品を羽田から帯広までハンドキャリーで運んでもらって、部品が届いたのはその日の夜。そこから朝までみんなで部品の交換修理をして。『魔改造の夜』というテレビ番組があるけど、まさにそれを地で行くような感じで、翌朝には走れる状態にしたんです。
吉舗:
ある意味、我々の規模でベンチャー企業っぽいことをしてる。
三好:
この「何としてでも動かす」という現場の執念、失敗もあるかもしれないけど、我々はそこに向かっているという共通の想い。将来に向けては変化ももちろん必要なんだけど、これからのTBKを担う人たちには、会社の根底にある魂みたいな部分も伝えていきたいですね。

「領域を超えた協業」と「永続的な人づくり」 これからのTBKに必要なもの
三好:
これからのTBKに必要なことはいろいろあるんですが、技術視点でいくと、我々が持っていない技術ってたくさんあるんですよね。これを自分たちだけでやろうとしたら、世の中の変化に追いつけない。だから、お互いの技術を持ち寄って、自分たちにない技術を持った人たちと協業していく。それは競合先の会社も例外ではありません。こうした取り組みも変化のひとつだと思います。
吉舗:
その感覚でいうと、私たちはTier 1とOEMメーカーの間、Tier 0.5あたりを狙っていかなければならないのかなと思っています。ポンプ屋さん、ブレーキ屋さんだと、そこで止まっちゃうんですけど、もう少し視点を上げてみる。それがこれからのTBKに必要かなと思っています。
三好:
社内には、電気、メカ、流体、ブレーキ、それぞれに専門家がいるので、先を見据えながら、お互いの得意分野を融合させて、さらに良いアイデアに仕上げていく。社内の連携や交流も強化していく必要があります。あと、進化が速いのがソフトです。自動車がメカだけではなく、ソフトで動く時代。機能安全やセキュリティーもがんじがらめになっていて、今やこの領域を避けて通ることはできません。ここは大きな危機感を持って情報を集めています。
内匠:
進化や変化はマインドでしかないので、今みたいに話していたことを素直に受け止めるしかないんですよね。「いや、そうは言ってもできないよ」じゃなくて「やるんだよ」っていうところにマインドセットして、そちらに気持ちを切り替える。そうすると必然的にやらなければならないことも見えてくるし、ぼやけていたゴールが鮮明になってくると思います。まずは自分の中に落とし込んで、周りにも発信していければと考えています。
吉舗:
あとはスピード感ですね。3、4年前は電動化に一点集中でしたが、今は少しトーンダウンしている。世の中の急激な変化に追随できるスピードと柔軟性が、今の私たちにも必要だと思います。
中島:
抽象的になりますが、私は永続的な人づくりを掲げたいです。技術はやはり人が作り出すもので、そこには想いと熱量があります。人も世代も変わってきているので、そんな熱量ある人財が早く楽しく成長できる仕組みを作って、スピード感をもって人を作り技術をつないでいく、そのサイクルを回していくことが大切だと思います。
進化の先に見える景色 ブレーキとポンプの枠を超え、新しい価値の創造へ
中島:
進化してるかどうかの物差しは、非常に難しいんですけど、世の中にどれだけ TBK が浸透しているのか、ということかなと思っています。例えば「TBK」と検索したときに、横に並ぶ言葉がそのまま自社の強みやブランドイメージを表しているのが理想ですね。
今国内では商用車、建産機メーカーさんを中心にシェアを頂き、TBKのポンプ、ブレーキを知って頂ける機会はあります。でも、将来、例えばヨーロッパで、「TBK、ああ、e-Axleの会社ね」と言われたら、うちの会社は進化してると実感できるのかなと思います。

吉舗:
私は会社の知名度が広がっていけばもっと面白くなるんじゃないかな、と思います。例えば転職する時、知り合いに「TBK」という名前を出したら、一瞬みんな考えるんですよね。商用車関連の人だったら大体わかるんですけど、乗用車関連の人は知らなかったりする。さっきのモビリティの話でいうと、ブレーキとポンプじゃない、もう少し上のレイヤーでブランドイメージを作っていきたいですよね。

三好:
ブランドイメージが定着してしまうと、そこに固着してしまい、その先に進化していけなくなるかもしれないので、私は「常に進化し続けている、現在進行形でトップランナーを走っている会社」というイメージがいいかな。今はブレーキとポンプだけでなく、電動化もやっていることをアピールしている段階。TBKを正しく理解してもらって、その次に「時代の先を行く会社」というイメージがついてきたらいいかな、と思います。

内匠:
ずっとものづくりをやってきている会社なので、まずは自社製品が大事。でも例えば、お客様の課題を解決するために、我々が持っていない製品が必要なら、それも扱う。自社製品だけにこだわるのではなく、既存の枠にとらわれない柔軟な考えも必要。これからの体制としては、そんな社外リソースを活用するなどの商社的な機能が加わってもいいのかな、と思います。Brake India社とのコラボレーションがその第一歩になると考えています。

「人とくるまのテクノロジー展2026」に向けて
内匠:
展示会では、ポンプやブレーキといった既存の製品はもちろん、「変わりつつあるTBK」をぜひ見ていただきたいと思います。変化を恐れずに進化し続けようとする姿を、社員の皆さんも含めて感じてほしいですね。
三好:
自社のコア技術が進化した先にある、「システムサプライヤーとしてのTBK」の姿に、ぜひ注目してください。そしてその根底には、環境や物流といった、社会共通の課題に取り組む私たちの「魂」があることも、感じ取っていただけると嬉しいです。
中島:
私たちが挑んでいる、単品のユニットではなくその上流にあるシステムの開発。これはブレーキとポンプ両方の技術を持つ我々にしかできない挑戦です。教科書のない中で試行錯誤しながら歩むTBKの姿を、展示会を通じてメッセージとして受け取ってください。
吉舗:
(「人とくるまのテクノロジー展2026」出展担当者より)
TBKは、部品メーカーでありながら自社でテストコースを持ち、自作した試作車を走らせて自ら走行テストをするような、他がやらないことに挑戦する心意気を持つ会社です。また、Brakes India社との協業をはじめ、商用車のTier 1メーカーとしては他社に先駆けて、横のつながりの創出にも取り組んでいます。
そんな私たちが描く理想の姿はどのようなものか、「人とくるまのテクノロジー展2026」では、【Be Ready for Future】をテーマに、各種展示を通じて、今から未来へと続くTBKの進化の軌跡を体感していただきます。
一番のみどころは、Brakes India社との提携によって劇的に広がった製品の守備範囲の広さです。また「Future Innovation」エリアでは、e-Axleと電動ブレーキ技術が融合した、TBKの将来像を公開します。皆様のご来場を心よりお待ちしています。
「人とくるまのテクノロジー展2026」TBKブースのご案内 【ブース N38】

[テーマ] Be Ready for Future
[主な展示内容]
・【進化形】e-Axle
・【日本初公開】Brakes India 社の各種製品
・【主力製品】オイルポンプ/ウォーターポンプ、ブレーキ 等
〇イベント名:人とくるまのテクノロジー展 2026 YOKOHAMA
〇主催:公益社団法人自動車技術会
〇開催日時:2026年5月27日(水)~ 5月29日(金) 10:00~17:00
〇開催場所:パシフィコ横浜 展示ホール・ノース 〇入場料:無料(事前来場登録制)
人とくるまのテクノロジー展 公式サイトhttps://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/registinfo/